虫と共に去りぬ

虫や金魚を中心に、生きものたちと歩む日々

ママになる

 

ふと思う事だけど、「◯◯ちゃん、ママになったんだよね」とか「◯◯さんは、もうお母さんだから」っていう言葉に、なんというか、表現し得ない感覚をいっつも抱く。どちらかというとあまり感じていたくない気持ちになる。

別にただ事実を言ってるだけで、そこに誰かを不快にさせる直接的な要素は何もないんだけど、なぜか昔から私はこの言葉が嫌いだった。

 

 

ママになったということは、ママになる前のその人は一体どこにいってしまったんだろうか。

いや、そこにいるし。同じ人間だし。

というのは勿論分かっているんだけど、子を産んだあとのその人の性質が180度変わってしまうような気配が、件の言葉から匂ってくる気がしているからなのかなぁ。「母」っていう二度と消せない役割とも、肩書ともつかないものがその人に貼り付いたあとも、私にとってその人はその人であり続けるのに。

もし私の人生で子を持つようなことがあったら(無いような気がするけど)、誰かに「ママになったね」と言われたとき、どう感じるのかな。自分の子どもを懸命に育てていこうという覚悟とか必死さの後ろで、それまでの自分は消えるのかな。少なくとも、子どもが独り立ちするまではその自分は鳴りを潜めているのだろうな。